小児外科では、主に新生児から15歳(中学生)までの外科疾患の治療を行っています。こどもの頃からの病気で成人になっても治療が必要な場合や成人診療科からの紹介によっては、成人も小児外科治療の対象となることがあります。
小児外科で治療する臓器は、顔面、頚部、気道、肺、消化管、腹壁、肝臓、胆道、膵臓、腎臓、泌尿生殖器など多くの臓器が対象になります。救急疾患や固形腫瘍も扱っています。また、重症心身障害児(者)に対するQOL向上を目指した手術、必ずしも手術を必要としない病気(臍ヘルニア、便秘症、包茎など)、気管切開や胃瘻などの在宅医療などについても幅広く診療の対象としています。
日本小児外科学会認定施設であり、小児外科医療における高次医療機関として365日24時間患者を受け入れ、診療を行っています。
日常よく見かける病気(鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、停留精巣など)については日帰り手術を積極的に行っています。近年では小児外科でも胸腔鏡や腹腔鏡を用いた内視鏡手術が取り入れられています。これら内視鏡手術では傷は小さく目立ちにくく、術後の痛みは少なく回復が早いのが特徴です。当科では鼠径ヘルニア、虫垂炎、胃食道逆流症など様々な疾患に内視鏡手術を取り入れています。
また当科では開設当初から小児気道疾患に対する検査や治療に力を入れており、他府県から多くの紹介を受けています。近年では声門下腔狭窄症の難治例に対するpartial cricotracheal resection(PCTR)手術に取り組み、気管切開カニューレの抜管困難症の治療に成功しています。乳児の先天性喘鳴の精査や気道異物誤飲などの緊急対応もしています。
新生児外科については、新生児搬送に加え、出生前診断の増加とともに母体搬送となるケースも多く、新生児科や産科と協力して総合周産期母子医療センターで円滑な治療が行える体制をとっています。
小児救急疾患については小児救命救急センターを併設しており、小児科、小児麻酔科など関連診療科との連携、充実した設備のもと治療に取り組んでいます。
小児外科の対象疾患は以下のように多岐にわたります。これら疾患の病態や治療については、日本小児外科学会ホームページ内にある「小児外科で治療する病気」(http://www.jsps.or.jp/disease-to-treat)をご覧ください。
1. 顔面、頚部:耳瘻孔、副耳、舌小帯短縮症、頚部腫瘤、頚部瘻孔など
2. 気道:喉頭軟化症、喉頭気管食道裂、喉頭腫瘍、声門下腔狭窄症、先天性気管狭窄症、気管・気管支軟化症など
3. 胸部:肺嚢胞性疾患、肺分画症、縦隔腫瘍、横隔膜ヘルニア、動脈管開存症、漏斗胸など
4. 消化管:先天性食道閉鎖症、先天性食道狭窄症、食道アカラシア、胃食道逆流症、肥厚性幽門狭窄症、十二指腸閉鎖症、腸閉鎖症、腸回転異常症、虫垂炎、腸重積症、壊死性腸炎、胎便性腹膜炎、腸閉塞、消化管穿孔、消化管異物、消化管ポリープ、メッケル憩室、鎖肛(直腸肛門奇形)、ヒルシュスプルング病、ヒルシュスプルング病類縁疾患、便秘症、直腸脱、肛門周囲膿瘍、痔瘻、裂肛など
5. 腹壁:鼠径ヘルニア、陰嚢水腫・精索水腫、臍ヘルニア、臍炎・臍肉芽腫、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、尿膜管遺残など
6. 肝胆膵:胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、膵・胆管合流異常、胆石症、膵嚢胞など
7. 泌尿生殖器:停留精巣、移動精巣、急性陰嚢症(精巣捻転を含む)、膀胱尿管逆流症、重複尿管、包茎、陰唇癒合、卵巣嚢腫など
8. 腫瘍:リンパ管腫、神経芽腫、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、肝腫瘍、奇形腫など
9. 救急疾患:鼠径ヘルニア嵌頓、消化管穿孔、急性陰嚢症(精巣捻転を含む)、外傷、異物誤飲・誤嚥など
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