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膵臓がん

膵臓がん

膵臓がんの症状

膵臓にできるがんの大部分は「浸潤性膵管がん」で、一般に膵がんといえばこれを指します。その他の主ながんには、「膵内分泌腫瘍」や「のう胞性膵腫瘍」などがあります。膵がんは早期には自覚症状がほとんどなく、早期発見の難しいがんの一種です。症状の現れ方は、がんが発生する場合によって異なります。

  1. 腹部や背中の違和感、痛み
  2. 全身倦怠感、食欲不振、吐き気、下痢
  3. 黄疸
  4. 発熱
  5. 糖尿病の発症、悪化

など。

膵臓がんの特徴としては、膵臓は比較的小さい臓器であり早期発見がむずかしいこともあって、肝臓や胆道、十二指腸、周囲のリンパ節や神経に浸潤・転移しやすい傾向があります。

膵臓がんの検査は血液検査、超音波検査、造影CT、MRI、PET-CT、超音波内視鏡、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)、PTC(経皮経肝胆管造影)などを行って診断、病期を決定します。進行度を判定した上でガイドラインに沿って治療法を決定します(表1)。

(表1)ガイドライン

※膵癌診療ガイドライン:日本膵臓学会 膵癌診療ガイドライン作成小委員会/編より抜粋

治療法の選択

膵がんの治療には大きく分けて外科手術、手術以外の治療(抗がん剤治療、放射線療法)、支持療法があります。支持療法には胆道がん治療と同様、胆道ドレナージ、十二指腸ステントなどがあります。またがん性疼痛(痛み)が出たときは鎮痛剤(痛み止め)を使用します。痛みが強い場合もしくは連日に鎮痛剤(痛み止め)使用となる場合は医療用麻薬(モルヒネ)使用により鎮痛をはかります。

手術(外科的治療)

外科的に腫瘍を含めた膵臓を切除する治療です。基本的に遠隔転移のない患者さまが対象です。腫瘍の存在部位により、術式を選択します。膵頭部(膵臓の右側)にがんがある場合には膵頭十二指腸切除術が適応となります。膵頭部、胃の一部、十二指腸、小腸の一部、胆のう、胆管をまとめて切除し、さらに膵臓の周囲のリンパ節、脂肪、神経なども一緒に摘出します。摘出したあとは、残った膵臓と小腸、胆管と小腸、胃と小腸の順につなぎ直し膵液、胆汁、食べ物の通る経路をつくります。一方、膵臓の体部・尾部(膵臓の左側)にがんがある場合には膵体尾部脾合併切除といって膵臓の体尾部(左側)と脾臓を一緒に摘出します。

遠隔転移を有するなどがんを摘出できない患者さまに対しては、症状に応じて姑息的な手術(バイパス手術)が行われることもあります。がんが進行して食べ物の通り道である十二指腸が閉塞している場合には、食べ物の通り道をつける胃と空腸の吻合を行います。また膵頭部の腫瘍による胆管の狭窄のために胆汁の通過障害が存在する場合には、胆管と空腸の吻合を行います。

化学療法あるいは化学放射線療法

残念ながら手術ができない膵臓がんの患者さまに対する標準的な治療法は、がんが肝臓などの遠隔(遠く離れた)臓器に転移をしていない場合(局所進行膵がん)としている場合(転移性膵がん)で若干異なります。

転移性膵がんに対する標準的治療は抗がん剤による全身化学療法です。
抗がん剤の代表的薬剤は、ゲムシタビン(ジェムザール)とS-1(TS-1)です。
ゲムシタビンは経静脈的に投与します。一方、S-1は、内服の治療法です。ゲムシタビンとS-1の併用療法もしくはゲムシタビン単独療法があります。いずれも通院で治療が可能です。

従来、局所進行膵がんに対する標準的治療法はフルオロウラシル(5-FU)と抗がん剤と放射線治療を組み合わせた化学放射線療法でした。
しかし5週間の入院治療が必要なこと、また抗がん剤単独に比べて副作用が強く出ることなどの欠点がありました。
最近ではゲムシタビンやS-1などの抗がん剤が進歩し、副作用が軽いばかりでなく治療成績が化学放射線療法と遜色なくなってきており、局所進行膵がんに対する化学療法の重要性は高くなってきています。

一方で、局所進行膵がんのなかには化学放射線療法が奏功し、手術が可能となった患者さまもおられます。
そのため現在では、どんな患者さまに化学放射線療法が有効なのかといった研究も進められています。

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