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腎臓がん

はじめに

腎癌は、小さいうちはあまり症状がないため、以前は早期発見が難しく、大きくなって、血尿がでたり、痛みがでたり、患者さん自身がお腹の腫瘤に気づくまで 発見できませんでした。しかし、最近では人間ドックでの超音波検査の普及や、他の病気でCTがとられる機会が増え、小さい段階で見つかるようになってきました。早期に見つかった場合は転移がみられることはまれですが、時間の経過とともに、腫瘍は次第に大きくなり、リンパ節 や肺や骨などの他の臓器に転移をおこすことがあります。肺転移が起きると咳、痰、血痰がでたりしますし、骨転移が起きると痛みや手足のしびれがでたりします。
わが国で腎癌と診断されている人は、腎盂がんを含めると約15,000人と推定されています。男女比は約2:1で男性に多く、高齢になるほど発生頻度も高くなります。もともと腎癌は、欧米に比べて少ないとされていましたが、1980年代以降、増加の一途をたどっています。背景には、食生活の欧米化や人口の高齢化、さらに検査機器の発達によって偶然発見される腎癌が増えたことが関係しているとされています。

診断・検査

診断は、主にMRI、CT、超音波検査、血管造影などの画像診断機器を組み合わせて行われます。より詳細な血管像、組織像を得るために、造影剤の注射を同時に行うこともあります。これらの検査により、腫瘍の写り方、発生部位、大きさをみます。MRI、CT、超音波検査の画像のみる事で、腫瘍が癌なのか、良性の腫瘤なのかを区別します。より侵襲性が少なく、より多くの情報が得られる検査を行います。また特殊な検査として、骨に転移があるかどうかみるために、骨シンチという検査が行われます。

超音波検査

プローブと呼ばれる機械を直接お腹や背中にあて、モニタ画面で臓器の映像をみることができます。癌の部分は、正常部分とは異なる光り方で見えます。この検査はもっとも手軽で、もっとも身体に負担の少ない検査といえます。

CT検査

X線を用いて各部位の断層撮影を行う検査です。造影剤を用いない単純撮影と、造影剤を点滴注射し、臓器、血管の染まり具合と腫瘍部の造影効果を確認する造影検査があります。目的とした臓器にあわせ、連続的にX線写真を撮影し、コンピューターにより画像が作られます。腎腫瘍の質的診断は勿論、胸部~骨盤部のCT検査を行うことでリンパ節転移や肺・肝転移などの遠隔転移を調べることが可能です。

MRI検査

磁力を用いて身体の成分の反応をコンピューターで解析してフィルム上にあらわす画像検査の一種です。X線を用いたCTとよく似ていますが、血管などの軟らかい組織が骨などの硬い組織と同じくらいよく観察できます。診断精度の高い検査で、X線の被爆がなく、多少腎機能が悪くても造影検査できる利点がありますが、身体のなかに金属が入っている人は行えません。過去に心臓のペースメーカー手術、手足の金属埋込み手術などの体内に金属を埋め込むような手術を受けた方は、注意が必要です。

骨シンチ検査

骨に転移があるかどうかみるために、弱い放射性物質を静脈注射し、その4-5時間後に写真をとる検査。危険性や身体への負担はほとんどありません。

腫瘍部の針生検

各種の画像診断によっても、癌か否かを診断困難な場合があります。 一般的に他の臓器の腫瘍では、「針生検」という方法で病理学的に悪性の有無を判断することが可能ですが、腎腫瘍では針生検による出血のリスクと、悪性腫瘍であった場合に腎癌細胞が血流にのって他臓器に転移するリスクがあるとされており、針生検を行っていません。

治療

腎癌の治療は手術が基本となります。効果的な抗癌剤治療や放射線治療が少ないため、転移を有する腎癌でも手術治療を行います。腎臓は両側臓器であり、病側腎を摘出しても、健側腎が通常機能があれば、生活レベルの腎機能は保たれます。

手術治療

開腹手術

従来、腎摘出手術は開腹手術で行っていましたが、現在は内視鏡手術が中心です。しかし大きな腎腫瘍や、隣接臓器に浸潤している可能性がある場合には内視鏡では対応困難なこともあり、その際は現在でも開腹手術を行います。

内視鏡手術

現在、主流となる手術です。お腹からアプローチする腹腔鏡、背中からアプローチする体腔鏡と方法は数種類ありますが、いずれも開腹手術に比べて侵襲性が低く、早期の退院が可能です。

腎部分切除

腎癌の手術は基本的に腎臓全部を摘出することが多いですが、小さい腫瘍であれば、腫瘍部分だけを切除することも可能です。詳しくは主治医にご相談ください。

抗癌剤治療

腎癌は現在のところ、手術のみが完治を期待できる治療法です。抗癌剤の効果はあまり望めないとされていますが、その中では、生物学的応答調節剤が多少の効果を見せています。癌の転移が認められる場合には、免疫療法(インターフェロン、インターロイキンなど)が用いられます。特に肺転移に有効で、患者の20~30%に転移巣の収縮がみられるとされています。インターフェロンは自己注射が認められているので、外来での治療が可能です。
2008年、腎癌に対する初の抗がん剤となるソラフェニブ(商品名:ネクサバール)とスニチニブ(商品名:スーテント)が承認されました。対象は、転移があるなど進行したがんのみです。それ以降も数種類の抗癌剤が適応となっており、今後治療成績の改善が期待されています。

放射線治療

腎癌に対する、有効な放射線治療は現在行われていません。骨転移を有する腎癌で、疼痛コントロール目的では放射線治療を行うことがあります。

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