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膀胱がん

はじめに

膀胱癌は膀胱から発生する上皮性悪性腫瘍です。発癌の危険因子としては、喫煙やアニリン系の染料やベンチジンなどの化学物質の慢性暴露があげられます。 発生率は男性が女性の3倍多いとされており、70歳台での発症が多く、若年者での発症はまれです。また、喫煙者は非喫煙者の4倍のリスクがあるといわれています。

症状

初期の場合は症状が乏しいことが多く、偶然検査した検尿で尿潜血を指摘され発見されることも少なくありません。腫瘍が大きくなると出血の量が多くなり、肉眼的血尿となることがありますが、血尿は自然消失と出現を繰り返すため、治ったと勘違いして病院に行くのが遅れ、発見されたときは進行していることが少なくありません。肉眼的血尿の自覚があった場合は消失しても、必ずお近くの泌尿器科受診をお勧めします。

検査(膀胱腫瘍の発見まで)

尿細胞診

採尿した検体中の異型細胞(癌細胞)の有無を調べる。非侵襲的検査で簡易に行えるが、診断率が低く複数回する必要がある。異型細胞を認めた場合は膀胱鏡検査が必要である。

腹部超音波検査

非侵襲的検査で簡易に行えるが、畜尿状態でする必要があり、また小さい腫瘍では発見が困難な場合がある。

膀胱鏡検査

軽度の侵襲を伴うが、腫瘍の有無の診断は確実に行える。検査時間は5~10分程度で、尿道粘膜の麻酔で可能である。肉眼的血尿がある場合は受けておく必要があると考えます。

検査(膀胱腫瘍発見してから)

全身CT検査

膀胱癌は肺・肝・骨・リンパ節と多臓器に転移します。膀胱癌の診断が確定または強く疑われる場合は転移検索のため全身CT検査を行います。

骨盤MRI検査

膀胱鏡検査で膀胱腫瘍が発見された場合、膀胱内の情報は膀胱鏡検査でわかりますが、膀胱壁外の状態がわかりません。腫瘍が膀胱外に浸潤していることも考えられるため、MRI検査が必要になります。

骨シンチ

進行した膀胱癌ではしばしば骨転移を認めます。全身骨の転移の検索のため 骨シンチ検査を行います。

治療

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)

膀胱鏡検査で膀胱腫瘍を認めた場合は、まずこの手術を行います。基本的に下半身麻酔で行い、手術時間は1時間程度で終了します。尿道から膀胱内に内視鏡を挿入し、内視鏡の先端についた電気メスで腫瘍を切除します。開腹手術と違い皮膚切開することは無いので体の負担も少なく、高齢者でも受けていただくことが可能です。手術翌日から食事、歩行可能で、術後5日間程度で退院可能です。表在性膀胱癌であれば、この手術で根治が期待できますが、再発することが少なくなく、術後も3ヶ月ごとの膀胱鏡検査が必要です。

膀胱内注入療法

表在性膀胱癌の場合、経尿道的膀胱腫瘍切除(TUR-Bt)で根治可能ですが、多発性の場合や再発性の表在性膀胱癌では、再発予防的治療として膀胱内に抗癌剤やBCG(結核菌)を注入することで再発率を低下させることが可能です。薬剤には数種類ありますが、基本的には週1回を計6回、外来通院で行います。副作用としては膀胱炎症状が出現することがあり注意が必要です。詳しくは担当医にご相談ください。

膀胱全摘除術

経尿道的膀胱腫瘍切除術の結果、浸潤性膀胱腫瘍の診断であった場合、またはMRIで浸潤性膀胱癌の診断であった場合は内視鏡の切除(TUR-Bt)では治療が不十分とされており追加の治療が必要です。リンパ節転移や他臓器に転移の無い場合は、膀胱を全部摘出する必要があります。膀胱を摘出すると、腎臓で造られた尿を体外に排出することができなくなるため、尿路変更が必要になってきます。尿路変更の種類は、患者様の年齢や、膀胱腫瘍の状態、合併症の有無で方法が違ってきます。詳しくは担当医にご相談ください。

膀胱温存療法=OMC-regimen=

膀胱は蓄尿と排泄という重要な機能を担っている臓器であり、体内に1つしか存在しないため、膀胱を摘除すると、通常術後ストーマ設置を余儀なくされ、患者のQOLは著しく低下します。また、こうしたリスクとQOLの低下を覚悟して膀胱全摘術を施行しても、術後局所再発やリンパ節転移や、肺などへの遠隔転移をきたす症例が少なくなく、浸潤性膀胱癌患者全体の約50%が死亡するのが現状です。 これらの状況から、膀胱摘除を行わずに治療する“膀胱温存療法”を開発することは、浸潤性膀胱癌に対する治療において非常に重要であると考えられます。高槻病院泌尿器科では、大阪医科大学泌尿器科学教室と連携をとり、従来なら膀胱全摘除術が必要と考えられる患者様にも膀胱を温存できる可能性を説明し、希望があれば大阪医科大学泌尿器科に紹介させていただきます。詳しくは、大阪医科大学泌尿器科ホームページを御覧ください。

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