現在、放射線科は放射線技師43名(女性技師16名)、常勤放射線科医5名、放射線治療医2名、助手5名、看護師2名の専門性を有するスタッフが放射線診療及び治療を行っております。撮影装置は主に一般撮影装置(3台)、CT装置(4台)、MRI装置(2台)で運用をしています。また、救急室には救急撮影室(一般撮影装置、CT装置併存)を設けています。放射線治療ではELEKTA社Synergyを設備し、より高度で精密な治療を提供しています。
一般撮影装置 | 3台 |
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超音波装置 | 4台 放射線科では腹部(RFA、造影エコー含む)、乳腺、表在エコーを主に担当しております。 *適時女性技師も担当しております。 |
MRI装置 | 2台 |
CT装置 | 4台 |
救急撮影室 ・一般撮影装置 ・CT装置 |
各1台 *当院では救急室にCT、一般撮影装置を併設しております。 |
乳房X線撮影装置 | 1台 撮影は全て女性技師(マンモグラフィ認定技師)で対応しております。 詳しくはページ下部にある「乳房X線撮影装置」をご覧ください。 |
血管撮影装置 | 2台 |
X線TV装置 | 3台 |
骨密度測定装置 | 1台 |
放射線治療装置 | 1台 *適時女性技師も担当しております。 |
アブレーション装置 | 1台 |
2021年9月より新装置を導入致しました。
1台でマンモグラフィ、トモシンセシス、マンモトーム生検を行っております。
撮影は全て女性技師(マンモグラフィ認定技師)で対応しております。
2019年にデジタルマンモグラフィ検診施設画像認定を取得しました。
<装置について>
FUJIFILM社:AMULET Innovality
Climb社:マンモグラフィ画像診断ワークステーション mammary
Canon社320列マルチスライスCT Canon社80列マルチスライスCT
1回転あたりの検出器の列数であり列数が多くなるほど1回転で得られる撮影範囲を「広く」、「速く」、「細かく」撮影することができる装置です。
2021年9月に導入の80列マルチスライスCTに最新の画像再構成技術である“AiCE(Advanced Intelligent Clear-IQ Engine)”を搭載し、人工知能(AI)技術の一つであるディープラーニングを応用した画像再構成技術(Deep Learning Reconstruction:DLR)によって画像品質の向上と飛躍的な放射線被ばくの低減が可能となりました。その他の装置においても逐次近似応用再構成(AIDR 3D)が搭載され、被ばくの最適化に努めております。
当院で稼働しているCT装置には最新のソフトウェアを搭載しており、検査における様々なニーズに対応しています。人工関節などの体内金属により画像劣化によって今までは検査不良となっていたケースに対しても金属アーチファクト低減処理(Single Energy Metal Artifact Reduction:SEMAR)を使用することで、画像の劣化を大きく改善することができます。また、Dual Energy CTによるヨードマップ画像やBBI画像の作成、低管電圧撮影による造影剤の減量技術など、その他にも解析装置(ワークステーション)により、三次元画像(3D画像)での血管や骨、臓器などの位置や大きさ、病変の状態などの把握や手術のシミュレーションなどに活用しています。当院ではCTチームの専門スタッフを配置し、日進月歩の医療技術に対し検査の目的や内容に応じて各装置の特徴を活かし使い分けCT検査における検査技術を駆使することで検査品質の向上と安全かつ安心な検査の提供に努めております。
CT検査には大きく別けて2種類あります。
•単純CT検査:造影剤を使用しない検査
•造影CT検査:造影剤を静脈から注入して行う検査
※造影剤の使用には喘息や腎機能、糖尿病など注意が必要な場合があります。
超音波とは『人間の耳で聞き取ることができない高い周波数の音』をいいます。生体内に超音波を発信すると、臓器や組織から反射して返ってきます。この性質を利用して反射してきた音波の速度や強さをコンピュータで処理することにより、体内の臓器や組織を画像化することができます。超音波は人体に与える影響がなく、胎児に使えるほど安全です。検査は10分~20分程度で、痛みもほとんどありません。
検査前に服を上げていただき、スカートやズボンは少し下げ、お腹を広く出していただきます。お腹にゼリーを塗り、探触子(超音波を出す機械)をお腹に当てて、臓器を観察していきます。検査中、患者さまには呼吸を調節(息を大きく吸ったり吐いたり止めたり)していただきます。
脂肪肝の画像
胆嚢結石の画像
検査部位によって服を脱いでいただいたり、首元が広く見えるようにしていただきます。検査部位にゼリーを塗り、探触子(超音波を出す機械)を当てて臓器や組織を観察していきます。
当科では、日本超音波医学会が認定する超音波検査士(体表臓器)の資格を3名の技師が取得して検査を行っております。
腹部の検査を受ける場合には、検査前1食は絶食となります。午前中の検査の場合には朝食を、午後の検査の場合には昼食をそれぞれ抜いていただきます。なお、他に絶食を伴う検査(胃カメラ、胃透視、腹部CT、腹部MRI等)が無い場合で、腹部の検査のみの場合には、水やお茶を少し摂っていただいても構いません。ただし牛乳等の乳製品は摂らないでください。
異常が見つかった際、その部分に針を刺して良性なのか悪性なのか鑑別する組織診をおこなうことがあります。この針を刺す際、どこを狙うかを確認するために超音波検査は用いられます。穿刺する対象臓器は、甲状腺、乳腺、肝臓、腎臓などがあります。
腎生検の様子
超音波で観察しながら、皮膚を通して電極針を腫瘍の中心に挿入し、ラジオ波という電流を通電させ、針の周囲に熱を発生させ、腫瘍を壊死させる方法です。当院ではCTやMRIの画像と超音波画像を連動させて表示することができる最新の装置を使用しております。従来、超音波検査だけでは同定しにくい腫瘤に対してCTやMRIのデータを参考に治療がよりスムーズに行えるようになりました。
マンモグラフィとは、乳房のエックス線撮影のことです。乳房は柔らかい組織でできているため、専用の装置を使って撮影します。
2021年9月より新装置を導入し、マンモグラフィ、トモシンセシス、ステレオガイド下乳腺穿刺生検が1台でできるようになりました。被ばく線量低減化や圧迫による痛みを軽減するシステム、さらに新たな画像診断システムも導入され、より安全・快適で正確な検査の提供が可能になりました。
トモシンセシスとは、断層撮影で任意の高さの裁断面を再構成する新しい撮影技術であり、通常のマンモグラフィでは描出困難な病変や、高濃度乳房に対して有用です。
当院では一定の撮影精度を保つため教育・評価施設である、NPO法人 日本乳がん検診精度管理中央機構の特別な教育研修を受け、認定を取得した女性技師が撮影を行います。
また、マンモグラフィ施設・画像評価の認定を取得しています。
左右の乳房をそれぞれ2枚の板の間に挟んで圧迫し、写真を撮ります。薄く均等に広げることによって、少ない放射線の量で乳房内の脂肪や乳腺組織などをより鮮明に写すことができます。板で乳房を挟むことにより多少の痛みを伴いますが、これは病気を見つける上でとても大切なことです。
また撮影検査室内において、乳房の位置合わせやしこり等の位置確認のため、担当技師が直接乳房に触れたり、乳腺を伸ばすため、乳房を引っ張ったりします。検査に必要なことですので、ご協力お願いいたします。
通常の検査は約5~10分程度で終わります。
小さな乳がんや腫瘤(しゅりゅう)をつくらない早期乳がんを発見することができます。また、悪性の病気だけでなく良性のものも見つかります。マンモグラフィでは「しこり」として触れる前の無症状の早期乳がん、肉眼で見たり手で触ったりして確かめる視触診や、超音波診断では発見しにくい乳がんの小さな兆候を探し出すのに優れています。
写真には、微細石灰化像(非常に細かいカルシウムからできた白い粒々の影)や腫瘤像、乳腺組織のひきつれ像等として写し出されます。
乳腺は女性ホルモンの影響を受けています。排卵から月経が始まる頃まで、卵巣から分泌されるホルモンによって影響を受け、乳房がしばしば硬くなったり痛みを感じたりします。自己検診を行うタイミングは月経開始後1週間くらいがベストといわれています。また、乳房にしこりや乳頭分泌など、いつもと違う症状がある方は、検診を待たずにできるだけ早く乳腺外科(外科)で診察を受け医師に相談しましょう。
マンモグラフィはエックス線検査ですので放射線被ばくがありますが、人体に及ぼす影響はほとんどないか、あっても極めて小さいと考えられています。マンモグラフィによる放射線被ばくは乳房だけの部分的なものであり、1回の撮影で乳房が受ける(吸収する)放射線の量は、東京からニューヨークへ飛行機で行く時に浴びる自然放射線(宇宙線)の量のほぼ半分です。マンモグラフィ検査で乳がんを早く発見して命を救う利益と、被ばくによる危険(リスク)とを比較すると、検診による利益の方が被ばくによるリスクよりも非常に大きく有益と考えられます。こわがらずに正しい検査を受けましょう。また、妊娠中の方は受けられない場合がありますので必ず検査前にご相談ください。
マンモグラフィを用いて、吸引式針生検装置で組織生検を行う検査法です。
超音波でははっきりしない石灰化病変や局所的非対称性陰影など、マンモグラフィのみで描出できる病変に有用な検査です。
生検部位を決めるためマンモグラフィを何回か撮影しながら、乳腺内の石灰化等の位置を3次元にて特定し、その部位に向けて生検針を刺入し、乳腺の組織を採取します。
採取した組織は病理組織検査にて確定診断を行います。
診断がつかないままに経過すると、乳がんであった場合には進行する可能性があります。
腫瘍の針生検は、一般的に行われる検査で、診断を確定するためには、組織を採取することは不可欠な検査です。
局所麻酔下で行います。当院で採用している装置は、腹臥位タイプです。検査をうつぶせのまま行えるため姿勢の保持が容易で、穿刺部が見えないように配慮されており、体の負担やストレスを軽くすることができる装置を採用しております。
生検のための小さな傷が1つだけで縫合は不要です。傷跡も小さく、乳房の変形などもおきません。
通常の検査は入室から退室まで約1時間です。
放射線治療とは、放射線を用いて病気(主にがん)を治療する手法です。局所療法であり、患部の機能温存が可能な治療法です。当院では、平成23年3月よりElekta(エレクタ)社製放射線治療機Synergy(シナジー)が稼働しております。
この装置には、IGRT(画像誘導放射線治療)やIMRT(強度変調放射線治療)、脳SRS(手術的定位放射線治療)といった機能が備わっており、より高精度な放射線治療を患者さまに提供することが可能となっております。
この検査は検査部位にごく弱いX線を当てて骨の密度を測定し、骨粗しょう症の診断を行ないます。検査は予約制となっておりますので、詳しくは診察時におたずねください。
当院ではHOLOGIC社のHorizonという装置を用いて、DXA法で骨密度測定を行っております。DXA法(二重エネルギーX線吸収測定)とは、2種類のエネルギーレベルのX線の透過率の差を利用して骨量を測定する方法です。測定対象骨は腰椎、大腿骨頚部です。測定の精度が高く、測定時間が短く、腰椎・大腿骨頚部の測定でそれぞれ3分程度です。(検査中は寝た状態で、検査部位が動かないように軽く固定しますが、全く苦痛はありません)放射線の被ばくも僅かです。腰椎DXA法は、骨量測定の標準方法として重視され、骨粗しょう症の診断、経過観察や治療効果の評価の広く用いられています。
骨粗しょう症とは骨組織の骨量が減少した状態をいいます。人の骨格は20歳代までにでき上がります。成長期にカルシウムやタンパク質を十分に取り、よく運動をすることで丈夫な骨格が完成します。女性ではホルモンのバランスが大きく変化する閉経後に骨の量が急速に低下します。男性では40〜50歳以降に少しずつ減り始め、加齢とともに腸管からのカルシウム吸収が低下するため、70歳を過ぎると骨粗しょう症になる人の割合が高くなります。若い人でも栄養や運動不足などの影響で骨量が減少することもあります。
などの要素が挙げられております。
骨粗鬆症になっても初期の頃は何の症状もありません。進行すると、腰や背中が痛くなったり、曲がったりしてきます。ひどくなると骨折を起こして寝たきりの原因にもなります。骨折は、背骨(脊椎)、股関節(大腿骨頸部)などにおこりやすく、脊椎には背骨がつぶれる形の骨折(圧迫骨折)が多く、腰が曲がって前かがみになり、背が低くなる姿勢の原因となります。大腿骨頸部の骨折は、転倒時におこりやすく、また腰をひねっただけで骨折する場合もあります。
骨粗しょう症は予防が最も重要かつ有効な疾患です。女性では10代後半から20才頃に骨量が最大になり、以後40才頃までこれを維持し、その後閉経とともに急速に骨量が低下します。骨粗しょう症の予防の原則として以下の2点があげられます。
・10代の成長期に骨量をなるべく多くしておく
・その後の骨量の低下をなるべく少なくする
いずれも、カルシウムの十分な摂取、運動、適度な日光照射が有効です。この他アルコール、ニコチンおよびカフェインはカルシウムの吸収を阻害する作用があり、骨量を低下させるので注意が必要です。
当院の骨密度測定検査はX線を使った装置を用いていますが、この検査で使われるX線被ばく量は、胸部のレントゲン写真を1枚撮影するよりも非常に少ない値です。過剰に心配する必要はありませんので、安心して検査を受けることができます。また、妊娠中の方は受けられない場合がありますので必ずご相談ください。
X線検査を受けられる患者さまから、X線被ばくについてのご質問があります。安心して検査を受けていただくために、ここではQ&Aの形式で代表的な質問にお答えいたします。
A.放射線には様々な種類がありますが、レントゲンやCTなどの検査に利用している放射線はX線です。X線とは、電磁波の一種で可視光線(普段目に見えている光)や紫外線、赤外線などと同じ仲間です。その違いはエネルギーによって区別されており、X線は赤外線や紫外線よりも強いエネルギーを持っています。また、X線は人体や物を通り抜ける性質を持っており、この性質を利用して撮影や治療を行っております。
A.X線は人体を通り抜けるときにわずかではありますが人体に吸収される性質があります。X線が人体に吸収されると細胞を傷つけてしまうことがあり、一度に大量のX線が吸収された場合は皮膚の炎症や潰瘍、消化管障害、白内障、若い方の生殖腺であれば不妊等の影響が起こる可能性があります。しかし、医療で使用されるX線はごく微量でありそれらの障害が発生すると考えられている線量を使用することはなく、加えて人体に備わっている防御機能により傷ついた細胞もすばやく修復されるため、それらの障害が起こることは考えられません。
A.放射線被ばくでの発がんのメカニズムは人体の細胞内に存在するDNA(遺伝子)の損傷と言われております。医療で使用されているX線(胸部検査、CT検査等)においても線量は微量ではありますがDNA損傷は少なからず発生すると言われております。しかし人体では損傷したDNAを修復・排除する機能があるため放射線診断で使用する低線量被ばくではがんの発生等はないと言われております。また、DNA損傷はストレス、タバコ、紫外線、有害物質、多飲多食等でも起こり得る反応であるため放射線のみを特別視する必要はなく、疾患の発見・治癒のために有効にX線検査をご利用していただければ幸いです。
A.CT検査は普通のレントゲンなどと違い人体を輪切りにした断層像を撮影します。縦長の人体を幾度も撮影するため被ばく線量はレントゲンに比べて増えます。しかし、上記のQ&Aからも解るように体への影響はないと考えていただいて構いません。それより、CT検査はレントゲン検査(胸部X線)では分からない数ミリ単位の小さな病変を見つけることも可能な、非常に情報量の多い優れた検査ですのでご安心して検査をお受けください。また、近年の機器の発達により検査で使用するX線量も非常に少なくなっております。
A.人体には回復を行う機能もあるため、複数回検査を繰り返したからといって身体への影響は蓄積されることはありませんのでご安心ください。
A.大量の放射線を被ばくした場合は不妊になる可能性はありますが、医療で使うX線量ではその心配はありません。一般的に不妊になる線量は2~6Gyとされていますが、当院で使用する各検査の被ばく線量ではそれ以上の線量になることはありません。また、撮影時には生殖腺の防護に加えて、お子さまの体格に合わせた最低限の線量で検査を行っておりますのでご安心ください。
A.MRIは主に磁気の力を利用して画像を構築する検査です。よって放射線被ばくはありませんのでご安心ください。ただし、心臓ペースメーカーや体内に金属を埋め込んだ手術をされた方は検査できない場合がありますのでお気をつけください。
A.胎児に影響が出る線量は発育段階によって異なりますが100mGy以上から流産、奇形、発達遅延などが発生すると考えられております。しかし、当院では胎児に直接その線量が照射される検査はありませんのでご安心ください。ただし、胎児は大人よりも放射線に対する感受性が高いため不必要なX線検査は避けることが推奨されております。また、妊娠の可能性のある方は検査前に主治医、放射線技師に申し出てください。
レントゲンやCTなど、X線を使った検査は体について大切な情報を与えてくれます。それらの検査を行うことでなんらかの異常が見つかれば、適切な治療方針を立てることができます。わずかな被ばくを避けるために、病気の診断が遅れて生命を失うことはあってはならないことです。安全性も保たれておりますので、安心して検査をお受けください。また、検査についてご質問や心配な点がございましたら主治医や当科の放射線技師にお気軽にお尋ねください。
MRIとはmagnetic resonance imagingの略で、医学の世界では磁気共鳴映像法といいます。名前の通り磁気を利用した検査であるため被ばくがない・侵襲性が低い・造影剤を使わず血管の撮影ができる・あらゆる方向からの撮影が可能など様々な特徴があります。
当院では2014年11月に2台の装置を新規導入しました。装置名はSIEMENS(シーメンス)社製の3.0T装置Skyra(スカイラ)と1.5T装置のAera(アエラ)といいます。両装置とも清潔感のある白をベースとした色調で、内部の側面にはLED照明を設置し明るい環境で検査を受けていただくことが可能です。大きな特徴として装置の入り口が70cmと大きく設計されており、患者さまに与える圧迫感が減り、体格の大きな方やご高齢者さまにも楽に検査を受けていただくことが可能です。
1.5T MRI装置(アエラ)
3.0T MRI装置(スカイラ)
頭部MRIは脳梗塞や脳腫瘍など頭部疾患の診断において極めて有用です。また、同時に造影剤を使わずに頭部血管の描出も可能です。
頸椎・胸椎・腰椎のMRI検査では脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア等の診断に有用で疾患を鮮明に描出することが可能です。また外傷による脊椎の圧迫骨折や脊髄損傷なども評価できるため救急時に撮影されることがあります。
腹部MRIは呼吸による動きの影響を受けやすい部位となっているため、原則息止めによる検査となっています。息止めが難しい患者さまには、装置が患者さまの呼吸に合わせて撮影する機能も備わっておりますので、その際は担当技師にお申し付けください。MRCPという撮影法は、体内の水(胆汁や膵液)を強調した撮影法です。CT検査では描出困難ですが、MRCPでは総胆管結石や膵嚢胞など鮮明に描出することができます。
その他にも四肢関節や乳房、心臓など様々な検査を行っております。
2015年5月に両装置ともソフトウェアーをバージョンアップし、「騒音制御」と「高速撮像」に特化したアプリケーションを導入しました。MRI検査は工事現場のような音が鳴り響くことで知られていますが、静音技術の導入により高画質を維持しながら静音化が可能となり、子供や赤ちゃんの撮影に活かしております。
また「高速撮影」は、腹部の息止め検査に特化したもので、高画質を保持したまま短時間撮影が可能となり、息止め時間の短縮など患者さまの負担が軽減し検査精度が向上しました。
放射線科では他科と連携を取りながら、今後とも患者さまにより安心・快適・正確なMRI検査を提供するため科員一同努力してまいりますのでよろしくお願い申し上げます。
当院の血管撮影装置はPHILIPS社製『Allura Clarity FD10/10』と『Allura Xper FD20/20』の2台が稼働しております。Clarity FD10/10は心臓、Xper FD20/20は頭部、小児心臓、腹部、上肢、下肢などで使用しております。
①両装置には心電図や別の装置からの動画を映すことができる大型マルチモニター(Flex Vision 56インチ)を搭載しております。そのため、手技の種類や流れに合わせてレイアウトの変更や拡大・縮小が自由自在なため、円滑な検査や高度な治療を行う事ができます。
②バイプレーンシステム及び高性能X線管球が搭載されており診断に必要な画像を高画質・低被ばくで提供する事が可能となり、長時間の高度な治療でも放射線に対する影響や造影剤による負担が従来と比較して少なくなりました。
③回転撮影にて血管の3D構築(3D-RA)やCT like Image(CTAPやCTHAなど)が可能なため、出血の有無や微細な肝細胞癌などの確認に役立てています。
④DRL(診断参考レベル)の水準も下回っています。
DRLとは、ICRP(国際放射線防護委員会)やIAEA(国際原子力機関)、J-RIME
(医療被ばく研究情報ネットワーク)などから公表されている医療被ばく(患者様の被ばく)の最適化を進めるためのツールとして用いる数値のことです。
動脈硬化などが原因で冠動脈が狭くなると、心筋に十分な血液が供給できなくなり、狭心症や心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。
治療は、その狭くなった冠動脈をバルーンと呼ばれる風船で膨らませ血管を拡張させます。そのバルーンでも広がらない時は、先端にダイヤモンドが付いたものやレーザーなどで削ったりして血管を拡張していきます。
また、ステントと呼ばれる金属でできた網目の筒状の物を置くこともあります。
当院では、24時間急性心筋梗塞の治療の対応も行っています。
詳細に関しては当院の循環器内科のページを参照ください。
主に、脳出血の原因検索や未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓、頸動脈狭窄に対するステント留置術、動静脈奇形、動静脈瘻に対する塞栓など様々な検査・治療に対応しています。
また、急性期の脳梗塞に対する治療も24時間対応しています。
詳細に関しては当院の脳神経外科のページを参照ください。
肝細胞癌を抗がん剤で小さくし、がんの栄養血管も詰める治療(TACE)や原発性アルドステロン症に対する副腎静脈の採血、交通事故などで腹部血管を損傷した際の造影検査や治療など様々な検査・治療を行っています。
透析患者様のシャント狭窄の治療や足の血管が動脈硬化などにより狭くなり、しびれ、痛み、潰瘍などの症状が出る閉塞性動脈硬化症などの検査・治療を 行っています。
また、血管外科と連携し外科的な治療も行っています。
主に先天性の心血管病変に対する術前や術後の造影の検査、心臓の圧波形や肺動脈の圧較差の測定などを行っています。
また、肺動脈が狭くなった際のバルーンによる治療や、異常血管をコイルにて塞栓する治療なども行っています。
放射線科では、被ばく、造影剤の管理も行っています。できる限り少なくなるように線量の調整やパルスレイトの調整、バイプレーンの提案など日々管理、確認しています。
また、血管造影室には様々な職種のスタッフが携わっています。スタッフ一同連携、協働し患者様一人一人の検査・治療をサポートしていきます。
質問 | 平均被ばく線量 |
---|---|
心臓(診断) | 330 mGy |
心臓(治療) | 1300 mGy |
頭部(診断) | 340 mGy |
頭部(治療) | 1400 mGy |
小児心臓(診断) | 50 mGy |
小児心臓(治療) | 270 mGy |
腹部 | 740 mGy |
上肢 | 20 mGy |
下肢 | 220 mGy |
SIEMENS社製Artis zee BCとステレオタキシス社製Niobe ES(EPOCHシステム)を使用した不整脈治療を行っております。
SIEMENS社製Artis zee BCはシーメンス社独自の被ばく低減プログラム「CARE」を搭載することで画像クオリティはそのままに、患者さま被ばくの低線量化を実現しました。
①身長と体重に基づいた、被験者モデルから仮想の皮膚線量をシミュレーションし、リアルタイムに現在の照射角度での積算線量を表示可能です。(図1)
②X線に対して感受性の高い小児の検査をより低線量で行うために、約40%の被ばく低減が可能なリムーバブルグリッドを採用しました。(図2)
ステレオタキシス社製Niobe ESは患者さまの両脇に設置された一対の永久磁石からなります。この永久磁石を遠隔操作によるコンピューター制御をすることで、体内にあるカテーテルを誘導することができる装置です。カテーテルは1mm単位と細かい制御が可能で、治療成績の向上や、合併症の予防、X線被ばくの低減などが期待できます。
欠点としましては、血管造影室の磁気遮蔽が必要です。また、永久磁石を使用している関係で非作動時においても磁力の影響を考慮する必要があり、検査室に持ち込む機器が制限されます。また、人工内耳など一部の医療機器を留置されている患者さまは本装置での治療ができない場合があります。
不整脈治療に関しましては当院の不整脈センターのページを参照ください。
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