平成29年薬剤科は新病院へ移転し、システムの更新を行いました。
高槻病院の薬剤科は、薬剤師数36名の定員で業務を行っています。愛仁会グループの中心的な病院薬剤科として、地域の関連施設や保険調剤薬局との連携、患者さまの薬物治療を推進する薬剤師の育成と活躍の場となるように努めています。
調剤業務から処方提案を含めた薬剤業務を積極的に行っています。
当院では調剤支援システムをTOSHOのシステムで構築しています。
注射薬自動払い出し装置(UNIPUL5000)
自動錠剤分包機(Xana-2720EU)
錠剤監査支援システム(MDM-1)
自動散剤分包機
秤量監査システム・水剤監査システム
薬品払出確認システム(端末を利用し、バーコードで薬品を確認)
安全キャビネット(クラスⅡ)
抗がん剤混注鑑査システム(Add/Dis)
調剤は、医師の処方せんに基づき、処方内容(薬品名・量やのみ方、のみ合わせなど)が適切であるか確認し、調剤を行います。その後、別の薬剤師によって再度、処方せんの内容、薬の確認を行い、病棟や外来の患者さまに届けられます。
調剤業務は入院患者さまのお薬(のみぐすりや注射剤など)を中心に行っていますが、夜間救急外来を受診された患者さまへの外来調剤も実施しています。
調剤は薬剤師(人)によるインシデント・アクシデントなどをいかに起こさないように配慮するかが大切であると考えています。薬剤師間の調剤・監査体制もその一つです。
当院では移転の際のコンセプトとして、「業務の効率化と安全性の向上」を目標に構築しました。さまざまな機器の導入・払出システムの構築・過誤防止対策の実施を行いました。
院内処方せんへの検査値記載、薬剤充填時のバーコード認証等を実施しています。
入院患者さまの内服薬は、配薬カートへのセットの実施や患者さまへの説明・交付を実施しています。注射薬については患者さまごとのケース、施用単位での薬剤のセットを行い、病棟へカートでの払出を行っています。
調剤・監査に際しては、配合変化や投与量・投与時間に注意しています。個人セットにより病棟で安全に投与してもらうための工夫をしています。
薬剤使用の際には、電子カルテ上で注射処方・薬品バーコード・患者さまでの3点認証を行い、間違いがないことを確認した上で投与されます。
当院で施行される化学療法は、レジメン(投与計画)に基づいて管理されています。レジメンでは用法・用量、投与ルートなどが決められており、安全な投薬が行われます。過量投与などを起こさない体制を整備し、安全に配慮しています。薬剤師は薬剤投与量や投与スケジュールの確認とともに、副作用に応じた支持療法の確認を実施します。その結果、患者さまに最適な薬物治療が実施されるよう支援しています。
抗がん剤の調製はすべて薬剤科内の抗がん剤調製室にて、安全キャビネット(クラスⅡ)、抗がん剤混注鑑査システムを用いて安全かつ的確に行っています。また、抗がん剤調製室は外来化学療法室に隣接しており、調製された抗がん剤はパスボックスを用いて速やかに患者さまの元へ届けることが可能です。さらに化学療法開始時には、薬剤師が抗がん剤の説明を事前に行い、より詳細な薬剤の効能効果や副作用の説明などを行うことで、患者さまの不安を取り除けるよう努めています。
レジメンについてはこちら
平成26年より病棟薬剤業務を開始しています。小児・周産期病棟・成人病棟・ICUのすべてに薬剤師を配置しています。新病院の建築に際し、病棟にはサテライトファーマシーを設置しました。サテライトファーマシーは薬剤師の活動拠点の確保と病棟における薬剤管理の徹底を目的としており、薬剤管理を薬剤師の管理の下で行えるようにしています。
薬剤師の役割は年々多岐にわたってきています。入院患者さまに対して、入院から退院までの薬物治療がスムーズに行えるよう支援を行っています。処方されいる医薬品に関する説明だけではなく、持参薬の管理や相互作用(のみ合わせ)にも注意を払い、より精度の高い薬物治療を支援し、患者さまが正確に安心して薬をのめるよう取り組んでいます。チーム回診や病棟カンファレンスにも積極的に参加し、処方提案、医療スタッフへの医薬品情報の提供を実施ています。
また、病棟で使用される高カロリー輸液などの混合調製をサテライトファーマシーに設置したクリーンベンチで行っています。
平成28年手術室移転より、薬剤師の手術室常駐業務を開始しています。
手術室には麻・毒薬・向精神薬・血液製剤など、特に厳密な管理を要する医薬品が多くあります。適切な医薬品管理のため、薬剤師が主体となりすべての医薬品の供給、在庫管理、品質管理を行っています。
薬剤の効率的な管理のため、医師と協議の上で術式セットを導入しました。術式ごとに必要な薬剤を準備することで、払出・使用確認・充填を効率よく行えています。また緊急手術等の薬剤師不在時にも対応がスムーズに行えています。
薬剤管理の徹底のため、手術で用いる薬剤を患者さま個人別にセット化して払い出しています。術式セットに個人での必要薬剤を追加して個人セットとして供給しています。
手術中に緊急で必要になった薬剤を各手術室へ搬送しています。手術スタッフが持ち場を離れることなく追加薬剤を得ることができ、より安全に手術を行うことができます。
薬剤師がすべての薬剤の供給、管理を一貫して行うことで、手術室全体の安全性の向上と業務の効率化にも貢献しています。
院内で活躍するチーム
その他にも、精神科リエゾンチーム、摂食嚥下ラウンドへも参加しています。
日本病院薬剤師会・各種学会では、専門薬剤師・認定薬剤師認定制度を設立しました。高度化する医療の進歩に伴い、薬剤師の専門性を生かした、より良質の医療を提供するという社会的要請に応えるためです。当院では、高度な薬物療法等について知識・技術を備えた各種認定薬剤師の育成を行っています。
患者さまご自身のお薬の処方歴・アレルギー歴を記載し、医療者と共有するツールが「お薬手帳」です。最近ではスマートフォンのアプリなどもあります。保険調剤薬局で処方を受け取られる際の記録、服用歴の証拠になります。ぜひ積極的に活用して下さい。外来で診察を受けられるときは、医師へ見せていただくと診察の補助にもなります。入院の必要があるときも持参し、薬剤師へ見せてください。よろしくお願いいたします。
外来患者さまには「院外処方せん」を発行しています。患者さまが「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」を選択し決めていただくことが重要です。「かかりつけ薬局」で他院から処方されたお薬を含めて、服用されている薬剤の管理ができれば重大な事故が回避できます。院外処方せんの発行にご協力下さい。
※ 院外処方せんの有効期限は4日です
※ 当院では90日処方を上限とさせていただきます
保険薬局の皆さまには、平素より疑義のある処方について処方医師に対して疑義照会を行うなど、安全で安心な薬物療法の遂行にご協力いただきまして、ありがとうございます。保険薬局への来局時に患者様から聞き取った薬剤のアドヒアランス状況や健康食品の使用に関する情報など、即時性の低い情報について、処方医師へ手際よくフィードバックすることは困難であったと思われます。一方で、情報の中には、即時性はなくとも、診療上重要な情報が含まれる場合もあります。
下記リンク先より、トレーシングレポート(google form)に入力していただき送信して下さい。入力内容を薬剤科で確認したうえで、次回処方に活かされるようフィードバックさせていただきます。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
トレーシングレポート
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