
2026.02.06
当記事は地域情報誌「シティライフ」のニュースサイトからの転載です。
高槻病院 小児脳神経外科 原田 敦子
赤ちゃんの頭の形のゆがみについて、相談が寄せられる事が増えているそう。現代のニーズと予防や治療の考え方について、高槻病院 小児脳神経外科 原田医師にお話を伺いました。
赤ちゃんの頭の形のゆがみについて、以前は「自然に治る」と言われ、日本ではあまり気にされてきませんでした。しかし、米国では頭部の変形に対する意識が高まっており、日本でも年々相談件数が増えています。
赤ちゃんの頭の形のゆがみの原因は、胎内での姿勢や出産時の圧力、出生後の向き癖などが関係します。形のタイプは斜頭症、短頭症、長頭症に分けられます。ゆがみが残ると見た目だけでなく、耳の位置のずれによって眼鏡の調整が必要など、生活上の不便につながることもあります。
予防の基本は同じ姿勢を続けないことで、寝かせる向きを変える、見守りのもとうつぶせ遊びを取り入れることが有効です。
それでも改善が乏しい場合は、月齢や重症度に応じてヘルメット治療などを検討します。治療の選択肢を知るためにも、気になった時点で専門医に相談し、正確な診断を受けることが重要です。
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黄色がヘルメット治療前、ピンクがヘルメット治療後。 |
高槻病院では、赤ちゃんの頭の形を専門的に診る外来を設け、放射線被ばくの心配がない3Dレーザースキャンで頭部を精密に計測し、凹んだ部分が自然に広がるよう設計したオーダーメイドヘルメットを作成します。約6カ月使用できるよう成長を見越して調整し、月1回の受診で内部パッドを微調整します。
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ヘルメット治療は頭が柔らかい生後4か月~7か月ごろに開始して、半年間で完了します。ヘルメットは300g程度と非常に軽く、赤ちゃんが不快になることはほぼありません。ヘルメット療法を行わない場合も、向き癖予防の指導を行います。
また、まれに見られる頭蓋骨縫合早期癒合症といった骨の病気や発達の遅れなど、ヘルメット治療では改善しない疾患の見落としを防ぐ事も重視しており、治療後も必要に応じて継続フォローをするなど一貫したサポート体制が整っています。
赤ちゃんの頭の形について気になる方は、些細なことでも気軽にかかりつけの小児科に相談されるか、専門外来の受診を検討してみてください。

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・日本脳神経外科学会専門医・指導医 |
