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赤ちゃんの頭の形外来

赤ちゃんの頭の変形(後頭部の絶壁や左右非対称)は「自然に治る」とされ、日本ではあまり気にされてきませんでした。しかし、米国では頭部の変形に対する意識が高まっており、日本でもその影響で、頭蓋変形を気にされる親御様が増えています。米国では、歯の矯正と同様に自費治療で2000年過ぎからヘルメットによる頭蓋形状矯正療法(以下ヘルメット治療)が普及し、50種類以上のヘルメットが食品医薬品局(FDA)に認可されています。日本でも米国同様、保険治療ではありませんが、東京の国立成育医療研究センターで2012年にヘルメット治療が開始されました。当院でも国立成育医療研究センターと同じミシガン大学式頭蓋形状矯正ヘルメットによる治療を2015年5月より始め、現在までに300例以上のヘルメット治療を行ってきました。当院での治療例を図1、図2に示します。ミシガン大学式ヘルメットは2018年4月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)から薬事承認されました。しかしながら、2020年の新型コロナウイルスの影響で米国からのヘルメット輸入が一時停止となりました。今後もこのような情勢により供給体制などに影響を及ぼす恐れがあると判断し、当院では2020年3月より日本製のヘルメット(補装具工房スタンス株式会社製、PMDA未承認)を頭部の変形用に導入することにしました。患者様には日本製とアメリカ製から選択していただけます。

このような頭蓋変形はほとんどが胎内もしくは出生後の向き癖による頭位性斜頭で、病的なものではありません。図3のように、後頭部の圧迫による平坦化から始まり、耳の位置の前方へのずれ、前頭部の突出、頬部の突出、側頭部もしくは頭頂部の突出の順で頭蓋が変形します。後頭部全体が平坦になる(いわゆる絶壁頭)になる場合もあります。しかし、中には頭蓋骨縫合早期癒合症という本来乳児期には開存している頭蓋骨の縫合が癒合してしまう病気や小頭症という脳の発達の遅れる病気のことがありますので、レントゲンや頭部CT検査が必要な場合があります。頭蓋骨縫合早期癒合症の場合は、手術が必要な場合があります。

図3 頭位性斜頭の重症度分類

ヘルメット装着までの流れ

小児脳神経外科医や形成外科医が、上記のような病気を除外し、ヘルメット治療の適応かどうかを判断します。ヘルメット治療の適応の基準を図4に示します。ヘルメット治療の開始時期は生後3か月から7か月で、治療期間(ヘルメットを装着する期間)は約半年です。開始時期が早いほど効果がありますが、首のすわりの具合によって治療開始時期を検討したり、重症度や治療開始時の月齢によって治療期間を検討したりします。ヘルメット治療を希望されない場合や変形の程度が軽度である場合、また3か月未満の定頸していない赤ちゃんには頭部の変形が軽減するように積極的体位変換(赤ちゃんとお母さんでするリハビリ)を指導させて頂きます。

赤ちゃんの頭の形が気になったら、お気軽に小児脳神経外科外来にお問い合わせください。医師の紹介状がなくても構いませんが、待ち時間軽減のため、事前予約をお願い致します。  2021年1月改訂

小児脳神経外科部長 原田敦子

保険診療

小児脳神経外科外来で病的な頭蓋変形を除外します。必要な場合は、頭部レントゲンやCTを行います。

頭部を計測。重症度を判定し、ヘルメット治療の適応を決めます。

自由診療

保護者の方がヘルメット治療を希望され、自費診療に同意される(費用:42万円/2019年10月現在)

ヘルメットの型取り(LEDスキャナー)

本人の現在の頭の形と、最終的な頭の形を想定したオーダーメイドのヘルメットを作成

担当医師がコンピューター上で作成

ヘルメット注文
約3週間で米国からヘルメットが届く

自宅でヘルメット装着
最初は数時間から始めて、最終的には入浴以外の1日23時間、約6ヵ月間装着

3~4週間ごとの診察、ヘルメットの微調整:当院小児脳神経外科医師、義肢装具士

図4 頭位性斜頭、短頭のヘルメット治療の考え方

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