2025.02.07
呼吸器外科 金 泰雄
高槻病院 呼吸器外科では、患者様の負担を軽減することを目指し、より低侵襲な(身体への負担が少ない)治療法である“単孔式胸腔鏡手術”(たんこうしききょうくうきょうしゅじゅつ)を積極的に導入しています。この手術法は、従来の複数の切開を必要とする胸腔鏡手術とは異なり、たった一つの切開口から行う方法であり、患者様に多くのメリットをもたらします。
胸腔鏡手術は、肺癌、気胸、肺炎などさまざまな胸部疾患の治療に用いられる低侵襲手術の一つです。単孔式胸腔鏡手術は、脇の下など目立ちにくい位置に約3cmの小さな切開を一つだけ作り、そこからカメラと手術器具を挿入して行います。切開が一つしかないため、身体への負担が抑えられると同時に、術後の回復も早く、傷跡も目立ちにくいのが特徴です。
① 身体的負担の軽減
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② 美しい仕上がり |
③ 日常生活への早期復帰 身体へのダメージが少ないことで、術後の回復が早く、日常生活への復帰がスムーズです。 |
高槻病院 呼吸器外科では、胸腔鏡手術に豊富な経験を持つ専門医が手術を担当しています。単孔式胸腔鏡手術には、従来の方法と比べて高度な技術が求められますが、呼吸器外科チーム、麻酔科、手術室看護部の全員で協力して、安全で確実な手術を提供しています。また、術前の詳細な説明や術後のケアにも力を入れ、患者様が安心して治療を受けられる環境を整えています。
当院では2024年5月から単孔式胸腔鏡手術を本格的に開始し、10~30歳代の若年世代の気胸の手術においては、ほぼすべての患者様に対し3cm前後の傷1か所で手術を行っています。このアプローチにより、患者様の術後の生活の質(QOL)の向上に大きく寄与しています。
この手術法は、特に以下の疾患に効果的です。
また上記以外に、びまん性肺疾患に対する診断目的の肺生検にも効果的です。患者様の症状や病態に応じて、最適な治療法をご提案いたします。
単孔式胸腔鏡手術は、患者様の生活の質(QOL)を向上させるための新しい選択肢です。当院では、これからも患者様一人ひとりに寄り添い、患者さんにとって最適な治療を提供することをお約束します。胸部疾患でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
ご不明な点やご相談がございましたら、当院の外科外来までお気軽にお問い合わせください。