メニュー

閉じる

English

キービジュアル

メディカルナビ

膝の痛みは早期の診断が鍵。適切な処置で「自分の足で歩ける」老後に

2026.08.18

当記事は地域情報誌「シティライフ」のニュースサイトからの転載です。

70d7dfaad9a96a043c7501364045c42b-1785980536.png

高槻病院 整形外科 平中 崇文

「年のせい」と諦めがちな膝の痛み。早期診断の大切さをはじめ、体への負担を抑えた進化する人工関節手術と回復への選択肢について、高槻病院 整形外科の平中先生に話を伺った。

膝の痛みの多くは、加齢による軟骨のすり減り(変形性膝関節症)や怪我が原因で起こります。
特に70代・80代以降の高齢期の方や、日本人に多いO脚傾向で膝の内側に負担がかかりやすい人、過去にスポーツなどで靭帯や半月板を痛めた経験がある人は発症しやすい傾向があります。
年齢とともに組織が弱くなるため、立ち上がりなどのちょっとした動作でも痛みが出やすくなります。一時的な痛みであれば自然に軽快しますが、2~3週間以上痛む場合は受診が必要です。
「年のせい」と放置せず、何が原因で痛んでいるのかを医療機関でしっかりと確かめ、適切な治療法を選択しましょう。体重増加は膝へダイレクトに負荷をかけるため、体重管理も予防には欠かせません。
また、突然激しい痛みに襲われた時は、骨の一部が死んで潰れてしまう「骨壊死」の可能性もあります。初期のレントゲンには写らないことも多いため、早期に専門医を受診しMRIによる詳細な原因追究を行うことが重要です。

 

薬や注射などの保存療法で改善せず手術が必要になった場合でも、過度に恐れる必要はありません。近年は、体への負担が少ない「低侵襲手術(MIS)」が積極的に取り入れられています。
すり減った内側だけを入れ替える「部分人工関節」は、自身の正常な骨や靭帯を残せるため、身体への負担を抑えることができます。曲げ伸ばしもスムーズで、中には正座が可能になる方もいます。
さらに、膝の筋肉を極力切らない術式になるため回復も早く、翌日には歩行リハビリを開始できます。当院では一度の入院・手術で両足の痛みを改善でき、通院の手間や身体的・精神的負担を大幅に減らせる両膝同時の手術を行っております。入院期間は通常2週間ですが、現役世代の方のご要望で1週間入院の相談もお受けしています。
また、0.5mm単位の正確な骨切除により、安全で精緻な手術を提供する手術支援ロボット「ROSA」を導入し、症状によって選択的に使用しています。

 

「人工関節の寿命は10年」「70歳までは手術をしない方がいい」と誤解されがちですが、10年での不具合は約5%に過ぎず、不具合なく旅行や趣味を楽しむ方もいらっしゃいます。
人工関節を長く良好に保つには、パーツの摩耗やグラつきを防ぐ適正な「体重管理」が重要になります。
膝が痛いから運動できない ➔ 体重が増える ➔ 膝への負担が増してさらに痛む、という悪循環に陥りがちです。手術によって痛みが改善した後は、食事管理や適度な運動(ウォーキングなど)を取り入れ、適性体重を維持することが長持ちさせる一番の近道です。
そして3ヶ月、6ヶ月、1年と定期的に経過をチェックし、パーツの緩みや破損、感染などのトラブルが起きていないかを長期的に確認していくことで、一生使い続けることも十分可能です。
不安だからと先延ばしにせずに、まずは「現状確認」という気持ちで気軽に受診してみてはいかがでしょうか。

YouTube『Dr.ひらなかチャンネル』を開設し、膝関節に関する様々な情報を発信しています。こちらもぜひご覧ください。



【平中先生が教える変形性膝関節症のセルフチェック】
□ じっとしていた後、動き出す時に膝が痛む
□ 階段の昇り降りや、正座をする時に支障がある
□ 膝のお皿の周りや、曲げ伸ばしに違和感がある
□ 膝の痛みが2~3週間、または激しい痛みが3日以上続く


上記の項目に当てはまる方は、医療機関の受診をおすすめします。
高槻病院 関節センターでは無料オンライン相談も受け付けております。



高槻病院 整形外科主任部長 関節センター長平中 崇文 医師

高槻病院に28年勤務する、関節外科のスペシャリスト。
豊富な臨床経験と卓越した技術を武器に、患者一人ひとりの生活スタイルに寄り添った治療方針を提案する。
低侵襲手術(MIS)を実践し、数多くの患者を早期の歩行・社会復帰へと導いている。