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「遺伝」の悩みに寄り添う遺伝看護専門看護師

2022.07.15

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2022年7月11日
遺伝看護専門看護師 春藤 望


遺伝看護専門看護師とは

遺伝看護専門看護師は2017年から日本看護協会より認定が開始された新しい分野です。
2022年4月現在、全国で14名(※)の遺伝看護専門看護師が活躍しています。

日本看護協会HPより


遺伝看護専門看護師の役割

「遺伝」という言葉は誰しもが一度は聞いたことのある言葉だと思います。親から子に引き継がれるもの、そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
がんゲノム医療や着床前・出生前診断、確定診断の為の遺伝子検査など、遺伝に関する医療は身近なものとなりつつあります。

そんな中、遺伝看護はその方・その家族の「遺伝」に関連する悩みや困りごとに対して、生活という視点を交えながら支援していきます。

現在私は、高槻病院の遺伝診療センターにて臨床遺伝専門医と共に外来を行っています。
相談内容の例をご紹介します。


高齢出産になるので、お腹の子のことが心配です。
出生前診断を考えています。

心配事の具体的な内容を伺いながら、出生前検査で分かることや分からないことをお話しします。心配事の解決に繋がるのかを一緒に考え、出生前検査を受けるかどうかをご自身が決められるようサポートします。


子どもが筋ジストロフィーかも知れないので、遺伝子の検査の話をされました。どんな検査ですか?
お姉ちゃんは大丈夫なのでしょうか。

病気についてどのように思われているかを伺いながら、遺伝学的検査の意義や分かることについてお伝えします。
またお姉ちゃんのことを心配されているように、他のご家族にも関係する情報を提供していきます。


乳がんといわれました。若いし遺伝性のものかも、と主治医から言われたのですが…
娘も同じように乳がんになるのでしょうか。

乳がんには遺伝性のものが確かにあります。ご家族の状況を伺いながら、どういった可能性があるのか、そうだった場合ご家族を含めどのような影響があるのかをお話します。
また遺伝性のものかどうかを調べる方法の1つとして遺伝学的検査のご説明を行うこともあります。




遺伝のこと、ご相談ください

同じ家系内であっても状況は異なり、また時期によって悩みや困りごとは変わってくるため、その時その時で多職種と協働しながら、必要な情報提供や意思決定支援などの看護ケアを提供しています。
「遺伝」はよく分からないなという方も、少し気になっているがどこに相談したらいいのか分からないという方も、個別な相談にのっています。お気軽にお声かけください。一緒に考えていきましょう。

相談窓口:tagc33@aijinkai-group.com(@を半角に置き換えてください)
遺伝診療センター 遺伝カウンセリング外来


遺伝診療センター 遺伝カウンセリング外来



「1本のヒトゲノムの幹からいろいろな花が咲く、みんな違ってみんないい」

ヒトゲノムをひとはみんな共有していること、そこから多様性が生まれること、それぞれの個人は特別な素晴らしい存在であること、という「ひとの遺伝」の本質を示したもの。金子みすゞさんの詩の有名な一節「みんなちがって、みんないい」(私と小鳥と鈴と)は、まさにこのひとの多様性をポジティブに表現したものと考えています。基調の青は高槻病院カラーで、このロゴでは青空に花が広がる気持ちを示しています。

高槻病院 遺伝診療センター 副センター長
玉置知子医師が考案したロゴ