病棟紹介
NICU 病棟紹介
個室
赤ちゃんと家族に合った環境
赤ちゃんにとっての成長発達は今後の人生を生きていくための大切な基盤となります。「赤ちゃん」といっても体重、生まれた週数、病気などで療養に適した環境は様々です。入院期間においては、病気を治すだけでなく、成長途中の機能が成熟し呼吸、体温調節、哺乳などが安定してできるようになるまで数か月に及ぶ事もあります。
集中治療環境の医療機器は、赤ちゃんの体調を把握し、成長途中の機能を助け、安定化を図るための大切なサポーターです。一方、ご両親からすると見慣れない器械に囲まれた異空間であるため、心身の負担を抱えた両親にとっても、ゆっくりと過ごしながら、育児を行える居心地の良い空間が理想でした。
当院のNICU病棟は、この理想を叶えるために集中治療室でありながら、「赤ちゃんのいる家のリビング」をコンセプトに、日本ではまだ少ない個室を備えた空間になっています。個室と総室は赤ちゃんや家族の状況により入室・退室、場所が変わることがあります。 ご理解よろしくお願いいたします。
GCU 病棟紹介
GCUは、呼吸状態が安定し、NICUでの急性期を卒業した赤ちゃん、哺乳練習が必要な赤ちゃんが入院しています。森をイメージしたレイアウトで窓も大きく太陽の光がたくさん入り、室内はとても明るいです。
私たちは、ご家族と一緒に赤ちゃんの成長・発達を見守りつつ、安全・安心して退院できるように、入院中より公認心理師・社会福祉士・地域の保健師と連携を行い、退院後もサポートいたします。
母子指導室
退院後の生活スタイルに近い環境で日中、夜間問わず、育児の練習を行います。
また、ご家族と赤ちゃんが一緒にゆっくり過ごして頂くこともできます。
授乳室
授乳時、呼吸が不安定な赤ちゃんはモニター管理をしながらベッドサイドでパーテーションを使用して直接授乳練習を行います。
呼吸が安定していれば授乳室を利用して頂いています。
電動搾乳器も設置していますのでご自由に利用して頂けます。
看護活動
NIDCAP(早産児個別的発達ケアと評価プログラム)について
Newborn Individualized Developmental Care and Assessment Program
アルス博士が1978年に開発されたもので現在では北米・南米・ヨーロッパ・北欧・中東など世界各国で取り入れられています。高槻病院には、専門的な研修を受けた看護師が3名、公認心理師が1名在籍し早産児の発達を促すケアを実践しています。
新生児医療では「赤ちゃんのストレスが少ないケア」と「赤ちゃんの発達を促進するケア」の両面に配慮するのがディベロップメンタルケアです。例えば安楽に過ごせる姿勢を整えたり、やさしく体に触れるなど様々なことが含まれ取り入れられています。その中でも、赤ちゃんの成長発達の知識を身に着け、赤ちゃんの行動から「何を望んでいて、嫌がっているのか」を読み取りケアに活かす専門的なプログラムをがNIDCAPです。ご家族へ赤ちゃんの特徴をお伝えし、お子様への理解を深めることで赤ちゃんに合わせた関わりが行えるようサポートしています。赤ちゃんの行動は神経発達を表す窓と言われています。赤ちゃんが過ごす環境や姿勢、ケアの方法などに観察の結果を活かすことで発達をサポートしています。
診療実績
過去5年間新生児科入院患者数
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|---|
院内出生 | 355 | 361 | 294 | 622 | 618 |
院外出生 | 102 | 95 | 98 | 86 | 110 |
総入院数 | 457 | 456 | 392 | 708 | 728 |
母体搬送 | 96 | 104 | 105 | 95 | 133 |
新生児搬送 | 102 | 95 | 98 | 86 | 110 |
出生体重別生存退院率
2022年
出生体重 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
< 500 | 2 | 1 | 50% |
<1000 | 24 | 3 | 88% |
<1500 | 19 | 0 | 100% |
<2000 | 51 | 0 | 100% |
<2500 | 142 | 1 | 99% |
≧2500 | 491 | 2 | 100% |
計 | 729 | 7 | 99% |
2021年
出生体重 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
< 500 | 4 | 1 | 75% |
<1000 | 13 | 0 | 100% |
<1500 | 21 | 0 | 100% |
<2000 | 46 | 0 | 100% |
<2500 | 129 | 0 | 100% |
≧2500 | 495 | 2 | 100% |
計 | 708 | 3 | 100% |
2020年
出生体重 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
< 500 | 4 | 0 | 100% |
<1000 | 21 | 2 | 90% |
<1500 | 20 | 0 | 100% |
<2000 | 65 | 1 | 98% |
<2500 | 127 | 0 | 100% |
≧2500 | 260 | 0 | 100% |
計 | 497 | 3 | 99% |
2019年
出生体重 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
< 500 | 3 | 0 | 100% |
<1000 | 19 | 0 | 100% |
<1500 | 36 | 0 | 100% |
<2000 | 67 | 0 | 100% |
<2500 | 117 | 0 | 100% |
≧2500 | 214 | 1 | 100% |
計 | 456 | 1 | 100% |
2018年
出生体重 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
< 500 | 5 | 2 | 60% |
<1000 | 15 | 0 | 100% |
<1500 | 23 | 1 | 96% |
<2000 | 67 | 0 | 100% |
<2500 | 95 | 0 | 100% |
≧2500 | 252 | 1 | 100% |
計 | 457 | 4 | 99% |
在胎週数別生存退院率
2022年
在胎週数 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
<24 | 6 | 1 | 83% |
<28 | 19 | 3 | 84% |
<32 | 20 | 0 | 100% |
<37 | 194 | 1 | 99% |
≧37 | 490 | 2 | 100% |
計 | 729 | 7 | 99% |
2021年
在胎週数 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
<24 | 3 | 1 | 67% |
<28 | 12 | 0 | 100% |
<32 | 18 | 0 | 100% |
<37 | 187 | 0 | 100% |
≧37 | 488 | 2 | 100% |
計 | 708 | 3 | 100% |
2020年
在胎週数 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
<24 | 5 | 0 | 100% |
<28 | 17 | 2 | 88% |
<32 | 24 | 0 | 100% |
<37 | 202 | 1 | 100% |
≧37 | 249 | 0 | 100% |
計 | 497 | 3 | 99% |
2019年
在胎週数 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
<24 | 3 | 0 | 100% |
<28 | 17 | 0 | 100% |
<32 | 31 | 0 | 100% |
<37 | 184 | 0 | 100% |
≧37 | 221 | 1 | 100% |
計 | 456 | 1 | 100% |
2018年
在胎週数 | 入院数 | 死亡数 | 生存退院率 |
---|---|---|---|
<24 | 5 | 2 | 60% |
<28 | 18 | 0 | 100% |
<32 | 23 | 0 | 100% |
<37 | 151 | 0 | 100% |
≧37 | 260 | 2 | 99% |
計 | 457 | 4 | 99% |
診療体制
プレネイタルサポートチーム
近年、胎児診断の進歩によって、胎児期に様々な疾患が見つかることが多くなってきました。出生後に医療的な介入が早期に必要なこともあり、お母さんとおなかの中の赤ちゃんにとって最もいい方法を多職種で検討して、ご両親の心理的面のサポートを行うチームです。
チーム構成
医師(産科、新生児科、小児循環器科、小児外科、小児脳外科、小児麻酔科)、看護師・助産師(MFICU、NICU、GCU)、公認心理師、社会福祉士、医療事務
プレネイタルカンファレンス
入院中の母児の情報共有と治療方針の確認を行うミーティングで、毎週火曜日に定期的に行っております。
チーム構成
産婦人科医、新生児科医、小児外科医、小児脳外科医
プレネイタルビジット
早産が予想される場合に、赤ちゃんが生まれたのちにどのようにしてNICU・GCUで大きくなってゆくのかを予めご両親にお伝えしています。
新生児科医とNICUの看護師でお母さんの病室に訪問し、具体的なイメージを持っていただくために、NICU・GCUで大きくなっていった赤ちゃんのモデルケースのアルバムを供覧します。ご希望があればNICUやGCUを見学していただきます。
日々の病棟カンファレンス
日勤開始時にNICU・GCUそれぞれで、その日に共有しておきたい赤ちゃんについてディスカッションを行っています。
医師と看護師のみならず、病棟薬剤師、リハビリテーション科(PT、ST)、社会福祉士、公認心理師も参加しています。
日勤帯終了時には医師による病棟回診を行っています。
医師の診療体制
現在新生児科専従医は12名で後期研修医2-3名で診療にあたっています。
基本的には主治医+チーム制ですが、チーム以外の赤ちゃんの状況も把握できるようにしっかりと情報共有しています。
当直体制はNICU・GCUそれぞれ1名の2名体制で、24時間新生児搬送に対応できる体制を整えています。
スタッフ紹介
医師紹介
医師名 | 職名 | 資格 |
---|---|---|
片山 義規 (GCU) |
主任部長 総合周産期母子 医療センター 副センター長 |
日本小児科学会専門医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 インフェクションコントロールドクター |
池上 等 (NICU) |
主任部長 | 日本小児科学会専門医・認定指導医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医・指導医 新生児蘇生法「専門」インストラクター |
武井 安津子 | 部長 | 日本小児科学会専門医・認定指導医 日本小児精神神経学会認定医 新生児蘇生法「一般」インストラクター 「子どもの心」相談医 、発達障害支援スーパーバイザー 特別支援教育士 |
長坂 美和子 | 医長 | 日本小児科学会専門医・認定指導医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 臨床遺伝専門医 |
岸上 真 | 医長 | 日本小児科学会専門医・認定指導医・出生前コンサルト小児科医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医・指導医 |
松村 峻 | 医長 | 日本小児科学会専門医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 |
郷間 環 | 医長 | 日本小児科学会専門医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 |
自見 仁美 | 医長 | 日本小児科学会専門医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 |
関屋 朱音 | 医員 | 日本小児科学会専門医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター |
大隅 敬太 | 医員 | 日本小児科学会専門医・指導医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター |
中原 優 | 医員 | 日本小児科学会専門医 |
米田 徳子 | 専攻医 | |
福田 祥直 | 専攻医 | |
西澤 和輝 | 専攻医 | |
椙本 興平 | 専攻医 | |
辻本 美智 | 専攻医 | 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター |
榎本 真宏 | 非常勤医師 | 日本小児科学会専門医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 日本アレルギー学会アレルギー専門医 |