糖尿病内分泌内科は糖尿病と内分泌に分かれます。糖尿病とは、慢性的に血糖値が高くなる病気ですが、膵臓からのインスリンというホルモンの分泌量が減少したり、インスリンのはたらきが弱くなったりするため、血糖値が高い状態が続くようになります。慢性的に高血糖状態が続くと、神経障害、網膜症、腎症、心筋梗塞、脳梗塞などの合併症が起きやすくなります。日本国内では1,000万人ほどが糖尿病に罹患していると推定されています。糖尿病は大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。2型糖尿病は成人の糖尿病の95%以上を占めます。もともと糖尿病の遺伝的素因を持つ人が、食生活の乱れ、運動不足、ストレスなどで発症します。1型糖尿病は生活習慣とは関係なく、免疫のはたらきの異常により、インスリンを産生する膵臓の細胞が破壊されて発症します。そのほか妊娠中の糖代謝異常の妊娠糖尿病、膵炎や膵臓癌や薬剤の副作用で発症する糖尿病もあります。内分泌とは、ホルモンのことで、生きていくのに必要な体内の活動に関わる微量物質です。ホルモンは多すぎずても少なくても影響を及ぼします。当科で対象となる内分泌臓器は下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎などがあります。

当院の糖尿病内分泌内科は日本糖尿病学会教育認定施設及び日本内分泌教育認定施設で、糖尿病専門医及び内分泌専門医が複数在籍しています。常勤医師4名に加え、外来は非常勤医師の応援で担当しております。糖尿病は、2型糖尿病を中心に、1型糖尿病や妊娠糖尿病も多数診療しています。内分泌疾患は甲状腺疾患を中心に、視床下部下垂体疾患や副腎疾患の診断と治療も可能です。

• 糖尿病（1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病）の診断と治療：糖尿病教育入院や外来インスリン導入
• 内分泌疾患の診断と治療：必要なら負荷試験入院

• １型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他の糖尿病
• 視床下部下垂体疾患（汎下垂体機能低下症成長ホルモン分泌不全症、ACTH単独欠損症、クッシング病、尿崩症、SIADHなど）
• 甲状腺疾患（バセドウ病、橋本病、甲状腺腫瘍など）
• 副甲状腺カルシウム代謝疾患（原発性副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症など）、骨粗鬆症
• 副腎疾患（原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、アジソン病など）

糖尿病も内分泌も特有の自覚症状が分かりにくい分野で、健診異常や検査異常で紹介されるケースが多いです。糖尿病診療は、外来入院ともに多職種によるチーム医療を行っております。入院診療においては、糖尿病教育入院（2週間パス、1週間パス）において、多職種により糖尿病教室、心血管合併症を含む合併症検査、インスリン導入など治療の見直しを行っております。また、1型糖尿病に対してインスリンポンプ（CSII、SAP療法も）行っております。1型糖尿病及びインスリン使用中の2型糖尿病に対して持続血糖モニタリング（FGM）も行っております。内分泌診療は、全身倦怠感など不定愁訴で発見されるケースが多いです。まずはかかりつけ医などに相談の上、紹介状持参で来院された方がスムーズに診療できます。